「聖職者の役割は医師20人分」、クロアチア保健相の発言に非難
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【3月27日 AFP】カトリックの信者が多いクロアチアで保健相が、病院で働く聖職者の役割は時に医師20人分に相当するなどと発言し、医療関係者らが強い憤りをあらわにしている。
自ら医師でもあるミラン・クユンジッチ(Milan Kujundzic)保健相は先週、首都ザグレブ(Zagreb)の修道院で行われたクロアチアの教育と保健における宗教と政治の役割についての会合で、自身の経験として「病院で働く聖職者は時に医師20人以上に値する」との考えを示し、「聖職者の笑顔、慰めや励ましの言葉は患者と家族双方にとって無限の意味をもつ」と発言した。
その発言を受け、同国の医師団体であるHUBOLは強い怒りをあらわにし、声明で「公共の保健医療施設は医師不足により今後5~7年のうちに崩壊する」と訴え、クユンジッチ氏の発言に対し「不足している医師4300人分を補うために聖職者215人を集めてくれないか?」と返した。
ユンジッチ氏は自身の発言が「文脈を無視して解釈されている」と釈明。議論の主題は「宗教と政治であり、また病院に聖職者の居場所があるのかどうかについてだった」と説明し、自分の発言も「時に」と前置きしていると語った。(c)AFP