米シーワールド筆頭株主に中国投資会社
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【3月25日 AFP】中国の不動産投資会社、中弘卓業集団(Zhonghong Zhuoye Group)は24日、米国で海洋テーマパークなどを運営するシーワールド・エンターテイメント(SeaWorld Entertainment)の株式の21%を取得し、筆頭株主になったとプレスリリースで発表した。これにより中弘卓業は、中国本土、台湾、香港(Hong Kong)、マカオ(Macao)でシーワールド(SeaWorld)系テーマパークを開発する独占権を手にする。
中弘卓業は、米投資会社ブラックストーン・グループ(Blackstone Group)が所有していたシーワールド・エンターテイメントの株式を1株当たり23ドル(約2600円)で買い取り、取引の総額は約4億3000万ドル(約480億円)と推定される。
1959年創業のシーワールド・エンターテイメントは、全米で12のテーマパークを運営している。このうち3か所は「シーワールド」の名称で展開される海洋テーマパーク。
だが、2010年に米フロリダ(Florida)州オーランド(Orlando)のシーワールドで、ショーの最中にシャチが女性トレーナーを水中に引きずり込んで死亡させる事故が起きたことで悪評がたった。
「ティリー(Tilly)」の愛称で知られたこのシャチは、カナダのブリティッシュコロンビア(British Columbia)州のマリンパーク、シーランド(Sealand)で1991年、非常勤調教師の死に関与していた。また、カナダからシーワールドに移された後の1999年に、シャチたちと一緒に泳ごうと閉園後に園内に忍び込んだ男性の死にも関わったとされている。ティリーは今年1月、オーランドのシーワールドで死んだ。
こうした事故について動物愛護団体は、シャチたちが狭すぎる水槽で飼育され、不適切な餌を与えられ、ショーでのパフォーマンスを強いられていると批判し、シーワールド側を糾弾していた。そうした中でシーワールドは昨年3月、シャチの繁殖を中止し、現在飼育している世代のシャチたちが死んだ後は一切シャチを飼育しない意向を表明した。(c)AFP