英議会襲撃マスード容疑者、「好人物」が過激思想化?
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【3月24日 AFP】英ロンドン(London)の国会議事堂近辺で22日に通行人を車ではね、警官1人を刺した襲撃事件の実行犯について、現地警察は英国生まれで前科のあるハリド・マスード(Khalid Masood)容疑者(52)と特定したことを発表した。
マスード容疑者は1964年12月25日、英イングランド(England)南東部ケント(Kent)生まれ。一人親の下、イングランド南部の海岸の町ライ(Rye)で育ったと、英紙タイムズ(The Times)は報じている。
その後の居住地はイングランド西部ウェストミッドランド(West Midlands)周辺で、警察の武装部隊は事件後、バーミンガム(Birmingham)の複数の建物などを含め同地域で一斉捜索を行った。
警察はマスード容疑者が英国籍であることを認めている。
マスード容疑者は1983~2003年の20年間に暴行や重傷害、武器所持、公序良俗違反などで有罪判決を受けていた。また、テリーザ・メイ(Theresa May)首相は、マスード容疑者が暴力的な過激思想をめぐる問題に関連し、英情報局保安部(MI5)の調査対象となったことがあると明かした。
しかし、警察によるとマスード容疑者にテロ関連の犯罪歴はなく、「何の捜査対象にもなっておらず、テロ攻撃を仕掛ける意図に関する事前情報もなかった」という。
同様の攻撃の背後にいるイスラム過激派の大半はマスード容疑者よりはるかに若いため、解説者らは同容疑者の52歳という年齢に注目している。
警察は同容疑者の単独犯行とみているが、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は、イラクやシリアの「聖戦士たち」と争っている国々を標的にせよとの呼び掛けを受けて行動に出た「兵士」の一人だと主張している。