【3月24日 AFP】(更新)英ロンドン(London)の国会議事堂そばで22日に発生した襲撃事件で、英警察は23日、実行犯の身元を英国生まれのハリド・マスード(Khalid Masood)容疑者(52)と特定した。これに先立ち、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」は実行犯がISの「兵士」だったとする犯行声明を出した。英国の事件でISが犯行声明を出したのは初めて。

 事件では重体となっていた男性(75)が23日夜に死亡し、犠牲者は4人となった。

 警察によるとマスード容疑者は1983~2003年に重傷害や武器所持、公序良俗違反などで有罪判決を受けていたが、テロ関連の犯罪歴はなく、「何の捜査対象にもなっておらず、テロ攻撃を仕掛ける意図に関する事前情報もなかった」という。

 一方、テリーザ・メイ(Theresa May)首相は、容疑者が過去に暴力的な過激思想に関する懸念をめぐり「周辺人物」として当局の調査対象となっていたことを明らかにした。

 マスード容疑者について一部メディアは、既婚の3児の父で、かつて英語教師として働いたことがあり、襲撃に使ったレンタカーを借りる際にも、職業欄にそう記していたと報じている。

 マスード容疑者の身元発表に先立ち、武装警察はロンドンに加え、マスード容疑者が以前居住していたイングランド(England)中部バーミンガム(Birmingham)で一斉捜索を行い、8人を逮捕。警察はその後、8人には「テロ行為準備の疑い」がかけられていると発表した。(c)AFP