【3月22日 AFP】米国で、インプラントを使った豊胸手術に関連した珍しいがんで、これまでに9人の女性が死亡したとみられていることが分かった。保健当局が21日、明らかにした。全米では同様のがんの症例が350件以上報告されているという。

 豊胸手術と未分化大細胞リンパ腫(ALCL)の潜在的な関連性は、2011年に初めて報告されたが、当時は症例が数件しかなかった。

 だが米食品医薬品局(FDA)によると、現在は359件の症例が報告され、うち9人は死亡したという。

 FDAの発表によると「これまでのすべての情報を基にすると、豊胸手術を受けた女性は豊胸手術を受けていない女性に比べて、可能性は非常に低いものの、ALCLを患うリスクが高い」という。

 世界保健機関(WHO)は豊胸手術に関連したALCLを「豊胸手術後に生じる可能性があるまれなT細胞リンパ腫」に指定しており、FDAもこれに同意するとした。

 豊胸手術に使われるインプラントには、表面が滑らかなスムーズタイプとザラザラしたテクスチャータイプの2種類の表面加工があるが、FDAによると、確認された症例の大半は、テクスチャータイプを使った手術を受けた女性に起きていたという。

 FDAはまた、遅発型で持続性の皮下血腫を患い、治療を行っている女性に、この珍しい症例がよくみられると指摘している。

 しかし珍しい症例であることから、FDAは豊胸用のインプラントを取り出すことを推奨する必要はないと述べている。(c)AFP