【3月22日 AFP】19世紀の社会に対する洞察力ある解釈で世界的に知られる英作家ジェーン・オースティン(Jane Austen)が、2人の男性との偽の婚姻関係書類を作っていたことが、イングランド(England)南部の自治体に残されていた資料から分かった。

 オースティンは主人公が家父長文化の残る時代に条件の良い結婚をすることで安定や社会的なステータスを求める姿を描いた。もっともオースティン本人は実生活では結婚することはなかった。

 しかしイングランド南部ハンプシャー(Hampshire)州ステベントン(Steventon)にあるオースティンが育った地区の自治体には、オースティン自身が記入した、架空の人物とみられる男性2人との結婚を公示した婚姻関係書類が残されていた。

 ハンプシャー州立文書館(Hampshire Archives)がオースティンの没後200年を記念して間もなく資料を公開する。

 資料によると、オースティンはロンドン(London)出身のヘンリー・フィッツウィリアム(Henry Fitzwilliam)とリバプール(Liverpool)出身のエドモンド・モーティマー(Edmund Mortimer)の2人と、教会で結婚が公示される婚姻予告を行ったとされる。

 当時、オースティンは10代だったとみられ、父親が地元教区の牧師だったため婚姻関係の書類に記入できたと考えられている。ハンプシャー州はウェブサイトで「この珍しい資料によりジェーン・オースティンの新たな一面が発見できる」と説明している。(c)AFP