【3月22日 AFP】国際的な研究チームが21日、アルツハイマー病の年齢別発症率を本人の年齢と遺伝情報によって個別に調べる方法を発見したことを明らかにした。効果的な薬がないアルツハイマー病の診断と治療方法の改善につながる可能性がある。

 米オンライン医学誌プロス・メディシン(PLOS Medicine)に発表された研究報告書が基にしているのは、認知症に関する大規模な世界的調査に参加したアルツハイマー病の発症者および高齢の非発症者、合わせて7万人以上の遺伝データだ。

 アルツハイマー病患者の大半は60歳代で発症するが、まれに30歳代で発病するケースもある。

 研究報告書の共著者で、米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(University of California, San Francisco)医学放射線医学・医用画像学部の臨床指導者、ラーフル・デシカン(Rahul Desikan)氏は、年齢と遺伝情報が分かれば、アルツハイマー病を発症する年齢別のリスクを個人ごとに予測可能だと語る。

 だがこの検査方法が一般に利用できるようになるまでには、さらなる研究が必要だ。また、アルツハイマー病のリスクを調べるために今回使用されたデータベースのサンプルとなっているのは主に欧州系の人々の情報であるため、アフリカ系米国人やヒスパニック系など、他の人種のリスクについては正確に予測できない可能性があると指摘する声もある。(c)AFP