【3月22日 AFP】財政が実質的に破綻し、公務員への給与支払いが何か月も滞っているブラジル・リオデジャネイロ（Rio de Janeiro）州に、意外なところから助け舟が現れた。元知事の関係が疑われる汚職に使われた外国口座から資金が返還され、9億円以上が退職した公務員への賞与に充てられることになった。

　昨年の夏季五輪開催地を州都に持つリオデジャネイロ州は財政が極度に悪化。現在は連邦政府の救済資金によってかろうじて運営を続けている状態だ。

　そんな中、同州でブラジルのロドリゴ・ジャノット（Rodrigo Janot）検事総長も出席して開かれた式典で、退職した公務員約14万6000人分の2016年の年末賞与向けに約830万ドル（約9億2500万円）が使えることが明らかにされた。

　これは、2007～2014年に同州知事を務めたセルヒオ・カブラル（Sergio Cabral）氏が主導していたとされる汚職組織のメンバーらの外国口座から返還された資金が原資。

　ブラジルでは大規模な汚職捜査が進められており、大統領経験者や現職の上院議員、政界の重鎮も対象となっている。

　今回は退職者向けに棚ぼたで資金が転がり込んだリオデジャネイロ州だが、当面、現職の公務員の多くに適切な給与支払いはできそうにない。また、公式統計に基づくと今回年末賞与を受け取れるのはその資格がある退職者全体の57％程度にとどまっている。(c)AFP