【3月21日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の長女イヴァンカ(Ivanka Trump)さん(35)が、ホワイトハウス(White House)にオフィスを構えたことが分かった。政府関係者が20日、AFPに明らかにした。ただイヴァンカさんは今後も政府の役職には就かないという。

 トランプ氏の大統領就任以降、イヴァンカさんは大統領執務室があるホワイトハウスのウエストウイング(西棟)にたびたび姿を現し、17日にホワイトハウスで行われたトランプ氏とドイツのアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相との会談にも同席した。

 イヴァンカさんの弁護士を務めるジェイミー・ゴアリック(Jamie Gorelick)氏が政治ニュースサイト「ポリティコ(Politico)」に語ったところによると、今後はイヴァンカさんに機密情報へのアクセス権が与えられ、公職にある大統領顧問らと同じ規則が課されるという。

 ゴアリック氏はポリティコに対し、「政府の役職に就いていなくとも、就いていれば適用される規則にイヴァンカが自主的に従うことが、姿勢として慎重であるというのがわれわれの考えだ」と説明し、「大統領の成人した子どもが積極的に政権の仕事に携わるのは、新しいことだ」と述べた。

 イヴァンカさんの夫で不動産業を手掛けるジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)氏もトランプ氏の上級顧問に就任しているが、夫婦共に公職に就いたことはなく、政治経験もない。イヴァンカさんは、自分の名を冠したファッションブランドを手掛けている。

 イヴァンカさんとクシュナー氏がトランプ氏に与える影響は大きく、利益相反をもたらす恐れがあるとの懸念が生じており、またトランプ氏の家族による事業と政治活動との境界があいまいなことに対する議論も激しさを増している。(c)AFP