【3月21日 AFP】フランスの大統領選が1か月後に迫る中、有力候補者らによるテレビ討論会が20日行われ、欧州連合(EU)からの離脱と「反イスラム」「反移民」を掲げる極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首(48)が、他の候補者らから激しい攻撃を受けた。

 ここ十数年で最も混戦状態にある大統領選の世論調査によると、来月23日に行われる第1回投票での支持率は、ルペン氏と中道・独立系候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)が競り合う一方で、主流派の左右両陣営の候補者は3位と4位に低迷している。

 また、世論調査ではマクロン氏が5月7日の決選投票でルペン氏に圧勝する見通しで、今回のテレビ討論会ではマクロン氏が他の候補者らから集中砲火を浴びるとみられていた。

 だがふたを開けてみると、マクロン氏や右派・共和党のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相(63)、社会党のブノワ・アモン(Benoit Hamon)前教育相、支持率で5位につけている極左政党「左翼党(Left Party)」のジャンリュック・メランション(Jean-Luc Melenchon)氏らが一斉にルペン氏の政策を激しく非難し、ルペン氏が受け身に回る場面が何度も見られた。

 今回の大統領選は、トロツキー主義を掲げる左派から極右まで、多岐にわたる候補者11人で争われる。そのうち小政党の候補者6人は討論会から除外された。(c)AFP/Clare BYRNE