英機関によるトランプ氏監視説は「とんでもないナンセンス」 米NSA副局長
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【3月19日 AFP】米国家安全保障局(NSA)のリック・レジェット(Rick Ledgett)副局長は英BBCが18日に公開したインタビューで、昨年の大統領選期間中に英国がドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の監視活動を補助していたという米政権の主張は「とんでもないナンセンス」だと述べた。
ショーン・スパイサー(Sean Spicer)米大統領報道官が16日、就任前のトランプ大統領が英情報機関・政府通信本部(GCHQ)による監視対象になっていたとの疑惑に言及したことにGCHQは激しく反発し珍しく猛烈に否定したため、スパイサー報道官は発言を撤回していた。しかしトランプ大統領はその根拠のない主張の撤回を拒否している。
18日に公開されたBBCのインタビューでレジェットNSA副局長は、米大統領選で英国が特定の候補者に肩入れしたと示唆することは「情報機関の間の関係についてまったく理解していないとの印象を与える。『英国政府がそのような行為に同意するだろうか?』という政治的現実を完全に無視している」と酷評した。
米FOXニュース(Fox News)解説者のアンドリュー・ナポリターノ(Andrew Napolitano)氏が、トランプ氏がまだニューヨーク(New York)のトランプタワー(Trump Tower)に居住していた頃にバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領がGCHQにトランプ氏の盗聴を依頼したと主張し、その内容をスパイサー報道官とトランプ大統領も口にした。トランプ大統領は米国の政治・司法当局と英国政府が疑惑を否定した後も発言撤回を拒否している。
NSAのレジェット副局長は今回の疑惑について「とんでもないナンセンス」「叙事詩的にばかげている」と厳しく指摘した。
FOXニュースは17日、同局に定期的に出演しているナポリターノ氏の発言について確認することができなかったと述べた。
レジェット副局長は、米国情報機関の使命は非政治的な姿勢を保ち、同国の指導者に「真実を伝える」ことだと述べた。同副局長は外国情報機関に対する電子機器を用いた監視活動を行うNSAを近く退職する予定。
トランプ大統領は、オバマ前大統領が昨年の大統領選期間中トランプタワーで「私の電話を盗聴していた」とする衝撃的な容疑についていまだに何の根拠も示していない。しかし、トランプ氏は15日、「2週間以内に面白い事実が明るみに出るだろう」と述べている。(c)AFP