【3月17日 AFP】現地報道などによると17日未明、イスラエル軍の戦闘機がシリア国内の複数の目標に攻撃を加え、シリア側も地対空ミサイルで応戦した模様だ。6年前のシリア内戦開始以降、イスラエルとシリアの2国間で最も深刻な事態の発生といえる。

 シリア軍は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から今月奪還した同国中部の遺跡都市パルミラ(Palmyra)付近を夜明け前に攻撃したイスラエル軍機1機を撃墜し、もう1機にも被害を与え、残りの編隊を駆逐したと、国営シリア・アラブ通信(SANA)を通じて発表した。

 一方、イスラエル側は軍報道官を通じ、自軍機が撃墜されたとの情報を否定し、シリア政府は過去にも同様の根拠のない主張をしたことがあると反論した。

 これに先立ちイスラエル空軍は、夜間にシリアで複数の空爆を実施したことを発表していたが、報復としてシリア軍が発射した地対空ミサイルは全くイスラエル軍機には当たっていないと述べていた。イスラエル側がシリア国内への空爆を認めるのは異例のことだ。

 またイスラエルのメディアは、エルサレム(Jerusalem)北方で自国の防空システム「アロー(Arrow)」がミサイル1発を迎撃したと報じた。

 イスラエル国内および海外メディアは共に、シリア国内での標的はレバノンのイスラム教シーア派(Shiite)原理主義組織ヒズボラ(Hezbollah)の武器輸送部隊だったと報じている。イスラエルと2006年のレバノン侵攻で交戦したヒズボラは現在、シリア政府軍の側に立って戦っている。(c)AFP/Delphine Matthieussent