【3月23日 AFP】欧州の研究者らは今月14日、将来的に風力発電用のタービンの性能を2倍に引き上げることができる可能性がある、安価でより効率的な超電導テープ線材を開発したことを明らかにした。

 欧州の超電導に関する研究プロジェクト「ユーロテープス(Eurotapes)」を統括するバルセロナ材料科学研究所(ICMAB)のシャビエル・オブラドルス(Xavier Obradors)氏によると、ユーロテープスは、電気抵抗がゼロで損失がほとんどない超電導のテープ線材を600メートル作ることに成功した。

 オブラドルス氏はAFPに対し「この(テープの)素材、酸化銅、は糸状で、銅の100倍の電気を通す。この素材を使えば、以前より多くの電気を通すケーブルを生産したり、より強力な磁場を発生させたりすることができる」と述べている。

 またオブラドルス氏は「この新しい素材を使えば、今より性能が高く軽い風力タービンが作れるかもしれない」と述べ、将来的に現在あるものの2倍の性能を持つ風力タービンの製造が可能になるだろうとの見解を示した。

 ICMABは声明で、長い目で見ればこのプロジェクトは「再生可能エネルギーの生産に革命を起こす」可能性があると述べている。

 ユーロテープスは4年間のプロジェクトで、オーストリア、ベルギー、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ルーマニア、スロバキア、スペインの欧州9か国の超電導分野の世界的な第一人者が参加している。その予算2000万ユーロ(約24億4000万円)の大部分は欧州連合が負担している。(c)AFP