【3月17日 AFP】(更新)アジア歴訪中のレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官は17日、日本から韓国入りし、北朝鮮との南北軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)を視察した後、北朝鮮に対する軍事行動も「選択肢の一つ」だと述べた。米国の北朝鮮政策の大きな転換を示唆する強い発言として受け止められている。

 ティラーソン国務長官は前日に日本で、北朝鮮を非核化するための過去20年におよぶ取り組みは失敗だったとする考えを表明していた。

 ティラーソン国務長官は17日、1953年に朝鮮戦争(Korean War)の休戦協定が結ばれて以来、北朝鮮側と米国が主導する国連軍司令部(United Nations Command)の双方が警備に当たる板門店(Panmunjom)の共同警備区域を視察。

 その後、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ、Yun Byung-Se)外相との共同会見で「軍事衝突は絶対に望むことではないが、(軍事)行動が必要だと我々が考えるレベルまで彼ら(北朝鮮)の兵器開発計画の脅威が高まれば、それも選択肢の一つだ」と語った。

 さらに「(オバマ政権が掲げた)戦略的忍耐の政策は終わった」「我々は外交、安全保障、経済措置で新たな領域を模索している。すべての選択肢があり得る」などと述べた。

 ティラーソン国務長官の視察中、軍事境界線の反対側では北朝鮮兵士らが監視を行い、うち1人は映像もしくは写真を撮影し続けるなど、一時ティラーソン氏との距離は数歩ほどまで近づいた。(c)AFP/Sebastien BERGER