【3月17日 AFP】パキスタン北部の山岳地帯で15日夜、空に閃光(せんこう)が走り大きな爆発音が何度も聞こえたと、驚いた住民たちから当局に通報があった。隕石とみられるという。

 北部の町ギルギット(Gilgit)と周辺地域の住民が明るく光る物体を目撃したのは午後9時ごろ。物体は夜空を切り裂いて遠くそびえる山々の上を飛んで行ったという。

 地元住民の男性は「空がピカッと光り、続いて何度も爆発音が聞こえた」とAFP記者に語った。「自宅の屋根に何かがぶつかった気がして家族と外に飛び出したら、近所の皆も家から出てきた。爆発音で谷全体が揺れていた」

 他の住民たちも口々に同様の証言をした。物体が「山の方に消えた」数秒後に爆発のような音が複数回聞こえたと話す人もいた。ソーシャルメディア上にも目撃情報の投稿が相次ぎ、不思議な光を撮影したと画像を投稿する人も複数みられた。

 ギルギットの当局者は16日、3か所で光る物体が目撃され大きな爆発音が聞こえたことをAFPの取材に認め、「われわれの調査によると、隕石が低空を飛んだものだ」と述べた。また、爆発音に聞こえたのは、隕石が音速を超える速さで飛んで行ったことによる衝撃波(ソニックブーム)だったとの見方を示した。

 この当局者は、隕石とみられる物体は「地表に衝突はしていない」と述べ、隣接するアフガニスタンのワハーン回廊(Wakhan Corridor)方面に飛んで行ったと話した。(c)AFP