南仏の高校で生徒発砲、校長「英雄」的行為で悲劇防ぐ
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【3月16日 AFP】(更新)フランス南部グラース(Grasse)の高校で16日、複数の銃と手投げ弾で武装した生徒(16)が発砲し、10人前後が負傷した。
現場となったのは、ニース(Nice)から西へ約40キロに位置する同市のトクビル(Tocqueville)高校。現場で記者会見したナジャット・バローベルカセム(Najat Vallaud-Belkacem)教育相によると、校長と生徒3人が発砲を受け軽傷を負い、さらに10人が精神的ショックや転倒によるけがで治療を受けた。
教育相は、銃を取り出した生徒を止めようとして負傷した校長を「英雄」と称賛。「最悪の事態は避けられた」と述べている。
直後に警察に身柄を拘束された生徒は、ライフル1丁と拳銃2丁、手投げ弾で武装し、「情緒不安定で、銃に強い関心を持っていた」という。生徒のリュックサックからは手製の爆破装置が見つかり、その場で処理された。
捜査当局は当初、共犯者1人の行方を追っているとしていたが、警察筋はその後、単独犯による犯行だったとの見方を示した。捜査当局はまた、拘束された生徒の年齢を17歳から16歳に修正した。
テロ事件が相次ぐ同国では事件を受け不安が広がったが、地元検察当局はテロが動機だった可能性を否定。悪化したクラスメートとの関係が動機だったとみられると述べている。
拘束された生徒は事件前、1999年のコロンバイン高校(Columbine High School)銃乱射事件など米国の学校で起きた発砲事件の写真や動画を、ソーシャルメディア上で共有していた。
同日には首都パリ(Paris)でも、国際通貨基金(IMF)の事務所で手紙が爆発する事件が発生。ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)首相は、北部ソンム(Somme)への訪問を短縮して切り上げた。(c)AFP/Claudine RENAUD/with Gregory DANEL in Paris