【3月16日 AFP】フランスの自動車大手ルノー(Renault)が25年以上にわたり、ディーゼル車とガソリン車の排ガス試験で不正行為を行っていたことが15日、AFPが入手した仏不正捜査当局の報告書で明らかになった。カルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)最高経営責任者(CEO)を含む経営幹部もそれを認識していたとしている。ルノー側は不正を否定している。

 報告書は、ゴーン氏を含むルノーの経営陣全体が「詐欺的な戦略」に加担していると指摘。この報告書に基づき、仏検察当局は1月に同社の捜査に着手している。

 ルノー側は疑惑を全面的に否定している。AFPの電話取材に応じたティエリー・ボロレ(Thierry Bollore)チーフ・コンペティティブ・オフィサー(CCO)は「ルノーは不正を働いていない」と述べ、ルノー車はすべて法定の基準に従っていると強調した。

 報告書はルノーの排ガス制御に関する決定に関して、ゴーン氏が承認を他の人物に任せた形跡がない以上、最終的には同氏の責任になると記している。

 報告書によると、試験中に有害物質の排出量を少なく見せる装置が「多くの車両」に搭載されていた。路上走行時の排出量は試験時に比べ最大で377%多かったという。

 報告書は最近の車を主な対象としているが、捜査当局はルノー元従業員の証言も踏まえ、こうした不正が1990年から行われていたとみている。(c)AFP