【3月15日 AFPBB News】AFP通信のウルスラ・イジー(Ursula Hyzy)東京支局長が14日、日本外国特派員協会(Foreign Correspondents' Club of JapanFCCJ)で開催されたイベントで講演し、AFP通信の活動や自身のジャーナリストとの経験などについて話した。

 イジー支局長は、AFPに入社した1992年以来、さまざまな国で特派員を務めてきた。1996~1999年は米首都ワシントン支局、2005~2009年はロシアの首都モスクワ支局を拠点に。さらに、ポーランド、バルト3国、チェコ、スロバキアの6か国をカバーするワルシャワ地方支局での経験もある。

 2015年7月から東京支局長を務めているが、実は日本で記者生活を送るのは今回が2回目。2001年9月から2005年5月までは、AFPの東京特派員として日本経済とビジネス記事を担当していた。

 AFPは世界中に200か所の支局を構え、1500人以上の記者が150か国から報じている。2016年には北朝鮮の平壌にも、海外通信社としては2社目となる支局を立ち上げた。

 イジー支局長は、シリアやイラクなどの紛争地帯も含めて、AFPが世界中から記事や写真、動画、インフォグラフィックスという多様な形でニュースを報じていることを紹介した。

 現在、多くのメディアが財政的な問題に直面したり、世界の注目が中国に集まったりしているが、AFPは日本をはじめ世界各国での取材網を維持していく意向だとイジー支局長はいう。「私たちは(東京支局の人員を)削減していない。日本は私たちにとって優先すべき国だ」

 AFPは常に先入観のない客観報道に努めていると語った上で、イジー支局長は今後特に動画ニュースとスポーツにも注力していくという。特にスポーツについては、「オリンピックの開催が迫る日本にとって極めて重要だ」と話す。

 また、講演では国際ニュース通信社ならではのスピードと経験をもって、クライアントにオンデマンドでコンテンツを制作する「AFP-Services」についても紹介。ビデオ記者250人とフォトグラファー350人から成るグローバルなAFP通信の人材ネットワークを駆使して、企業やメディア、政府などのクライアントのためにオリジナルの記事や写真、動画コンテンツを制作している。

 AFPの歴史は、1835年にシャルル・ルイ・アバス(Charles-Louis Havas)が仏パリで設立した世界初の通信社「アバス通信社(Havas News Agency)」から始まった。当初はロンドンのビジネスニュースをいち早くパリに伝えるために、伝書鳩を用いた通信事業を行っていたという。現在の「AFP通信」という名称に生まれ変わったのは1944年。(c)AFPBB News