【3月15日 AFP】中国の首都北京(Beijing)からオーストラリアのメルボルン(Melbourne)に向かっていた旅客機の機内で、乗客の女性が使っていたヘッドホンが発火し、顔や手にやけどを負う事故が発生した。当局が15日、明らかにし、機内で電池式の機器を使うことへの危険性に注意を促した。

 発火事故が起きたのは先月19日。女性が自身所有のヘッドホンで音楽を聴きながらうとうとしていた時に大きな爆発音がした。

 女性は事故を調査する豪運輸安全局(ATSB)に対し「自分の顔が燃えている感じがした」「手で顔を覆うとヘッドホンが外れて首の辺りに落ちた。それでも燃えている感じがしたため、床に放り投げた」と話している。火花が散り小さな炎も上がったという。

 客室乗務員らが急いで駆けつけ、ヘッドホンに水をかけたが、電池とふたの部分は溶けて床にくっついた。

 公開された写真には顔や首にすすが付き、手の一部も水膨れになっている女性が写っている。機内には、プラスチックが溶け、電子機器や髪の毛が燃えた臭いが充満したが、他の乗客はこれに耐えて目的地に向かわざるを得なかった。

 今回の事故に関し、女性の氏名や航空会社の名前は公表されていない。

 豪運輸安全局は、ヘッドホンに使われていたリチウムイオン電池が発火したとみている。

 同局は「電池を使う商品が増える中、機内で問題が起こる可能性は高まる」と述べ、乗客に対し電池式の機器を持ち込む場合は、使用時を除き許可された場所に保管するよう求めた。また予備の電池は機内持ち込み手荷物に入れるよう呼びかけた。(c)AFP