【3月15日 AFP】米海兵隊員らが、女性隊員のヌード写真を本人の了承なくインターネット上で共有していた問題で、米上院軍事委員会の議員らは14日、「不快極まりない」スキャンダルだとして、海兵隊トップを強く非難した。

 女性海兵隊員らのヌードを含む一連の写真は、フェイスブック(Facebook)上で作られた「マリーンズ・ユナイテッド(Marines United)」という秘密のグループ内で共有されていた。

 海兵隊総司令官のロバート・ネラー(Robert Neller)大将はこの日開かれた同委員会の公聴会で、問題への対応をめぐり痛烈な批判を浴びた。

 民主党のキルステン・ジリブランド(Kirsten Gillibrand)議員は、海兵隊上層部から「何の反応もない」のは深刻な問題だと表明。海兵隊が2013年から他の隊員らの「オンライン上の搾取」を把握していたことを指摘し、ネラー氏の回答には納得できないと非難した。

 ネラー氏は、自ら「拙い」回答しかできないと認めた上で、海兵隊の気風にある問題の責任を負うのは自分だと明言。ジャック・リード(Jack Reed)議員は、この問題を「不快極まりなく悪質そのもので、弁解の余地なし」と断じた。

■「女性蔑視の気風」

 米国での女性従軍の歴史は長く、昨年にはバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領の下、陸空海軍の戦闘部隊を含む全職種への女性配属が解禁された。軍全体のうち、戦闘任務への女性受け入れに最も難色を示したのが海兵隊だった。

 法学教授で元空軍中佐のレイチェル・バンランディンガム(Rachel VanLandingham)氏は米紙USAトゥデー(USA Today)が13日に掲載した論説で、「最近発覚した海兵隊のヌード写真スキャンダルはこれが初めてではなく、海兵隊内にいまだ存在する嘆かわしい女性蔑視の気風を証明している」などと批判し、ネラー総司令官の辞任を要求した。(c)AFP/Thomas WATKINS