【3月12日 AFP】第4回ワールド・ベースボール・クラシック(2017 World Baseball ClassicWBC)は11日、米マイアミ(Miami)で1次ラウンド・プールCの試合が行われ、ドミニカ共和国は8回にネルソン・クルーズ(Nelson Cruz)が逆転3点本塁打を放ち、序盤の5点差をひっくり返して米国から7-5の劇的勝利を収めた。

 観衆3万7000人を記録したマーリンズ・パーク(Marlins Park)で、大多数を占めるドミニカ共和国ファンが大声援を送る中、ドミニカは3-5と2点を追う8回裏、ホゼ・ボーティスタ(Jose Bautista)とカルロス・サンタナ(Carlos Santana)がそれぞれ死球と単打で出塁すると、クルーズが米国の4番手アンドリュー・ミラー(Andrew Miller)から本塁打を放った。

 クルーズは「信じられない。リトルリーグでプレーする少年みたいな気分で跳びまわっちゃったよ。ほかにどうしたらいいかわからなかったんだ」と喜んだ。

 前回王者のドミニカ共和国は、スターリング・マルテ(Starling Marte)も本塁打を放ち、WBCでの連勝を10試合に伸ばし、2次ラウンド進出へ大きく前進した。

 一方、初戦でコロンビアに延長戦まで持ち込まれながらも勝利していた米国は、これで1勝1敗となり、1次ラウンド敗退の可能性も出てきた。チームは12日のカナダ戦に勝利するか、コロンビアがドミニカ共和国に敗れるかすれば突破が決まる。

 クレイトン・カーショウ(Clayton Kershaw)、マイク・トラウト(Mike Trout)、クリス・ブライアント(Kris Bryant)ら大物選手がこぞって出場を辞退し、ジム・リーランド(Jim Leyland)監督を失望させている米国は、野球発祥の地でありながら、まだWBCのタイトルを手にしたことがない。

 対して殊勲のクルーズは「チームにはすごい選手がたくさんそろっている。ベンチの連中だって、他のチームなら先発で出られるレベルだ」と話し、ドミニカ共和国代表の選手層を誇っている。

 グループのもう1試合では、ドノバン・ソラノ(Donovan Solano)が2打点の活躍をみせたコロンビアが4-1でカナダに勝利した。

 初回にフレディー・フリーマン(Freddie Freeman)の適時打でカナダに先制を許したコロンビアだが、3回にソラーノが同点打を放つと、5回に再びソラーノの適時打で勝ち越し、その後も小刻みに加点して勝利を飾った。

 グループDでは、ベネズエラが延長10回まで及んだイタリアとの乱打戦を11-10で制した。ベネズエラは9回、サルバドール・ペレス(Salvador Perez)の2点本塁打で10-8と勝ち越したものの、粘るイタリアも9回裏に2点差を追いつき、試合は延長に突入した。

 それでも迎えた10回表、ベネズエラはマーティン・プラド(Martin Prado)の中堅への適時二塁打で再度勝ち越すと、その裏の1番からの好打順を抑えのホセ・カスティーヨ(Jose Castillo)がきっちり三者凡退に切って取り、勝利をつかんだ。

 イタリアとベネズエラは、これでどちらも1勝1敗となっている。イタリアは初戦、10-9でメキシコ相手に金星を挙げ、ベネズエラは0-11でプエルトリコにコールド負けした。(c)AFP