「放射能がうつる」「福島に帰れば」 原発避難者が耐えるいじめ
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【3月10日 AFP】関根颯姫(Satsuki Sekine)さん(15)の家は、2011年の東日本大震災の津波に破壊され、続く原発事故のパニックの中で家族は避難した。しかし関根さんにとって震災以上に残酷だったのは、避難した先の地域で受けたいじめだった。
関根さんの新しい同級生たちは同情を示すどころか、言葉の暴力を浴びせた。弱者や周りと違う人がのけ者にされやすい日本でよくみられる差別の一種だ。「『福島の子だから』とか『放射能がうつるから』とか」──事故を起こした福島第1原子力発電所から遠く離れた避難先で、関根さんはこうした言葉でいじめられ、それに耐えた。
自宅が地震で半壊して津波に流された上に「原発事故まであって、精神的にもきていて。親戚の人も津浪に流されて死んでしまって」と関根さんはAFPに語った。さらに新しい学校でいじめに遭い、「こんなんだったら死んだほうがましだろうなと思うくらい」精神的にきつかったと、彼女は言う。
関根さんは現在、自宅があった場所の近くに戻って暮らしている。津波によって福島第1原発がメルトダウンに陥り、16万人以上が家を追われたその地域では今、ゆっくりと復興が進んでいる。
避難先でひどい目に遭っているのは関根さんだけではない。多くの子どもたち、そして大人までもが、安住を求めた街で罵られ、のけ者にされ、暴力まで振るわれているのだ。