【3月10日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領が6日に署名した難民とイスラム圏6か国からの入国を一時禁止する新しい大統領令について、ワシントン(Washington)州など複数の州が連邦裁判所に差し止めを請求することが9日までに分かった。新大統領令の是非も司法の場で争われることになりそうだ。

 既にハワイ(Hawaii)州が8日、全米で初めて新大統領令の差し止めを裁判所に請求している。

 ワシントン州のボブ・ファーガソン(Bob Ferguson)州司法長官によれば、少なくともミネソタ(Minnesota)、ニューヨーク(New York)、オレゴン(Oregon)の3州が差し止め請求を起こす見通し。

 ワシントン州は、トランプ氏が1月にイスラム圏7か国からの入国を禁止する大統領令に署名した際、最初に差し止め請求を起こした州。この大統領令は世界中の空港で混乱を引き起こしたが、最終的には連邦控訴裁判所(高裁)が差し止めを命じた連邦地裁の判断を支持した。

 ファーガソン長官は、新大統領令では対象が絞られたものの、憲法に照らして問題が残っていると指摘。裁判所に対し、1月の大統領令に対する差し止め命令を新大統領令にも適用するよう求めると述べた。

 今月16日に発効するトランプ氏の新大統領令は、シリア、イラン、リビア、ソマリア、イエメン、スーダンの6か国の市民に対するビザ(査証)の新規発給を停止するほか、全難民の受け入れを120日間にわたり凍結する内容。

 この新大統領令をめぐっては、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長も9日、2026年のW杯(World Cup)に米国が立候補できなくなる可能性あると指摘している。インファンティーノ会長は、「ワールドカップの出場権を得た全ての国のチームやサポーターが開催国に入国する必要がある。さもなければワールドカップは開催できない」と述べた。(c)AFP