CIAハッキング疑惑、IT各社が確認急ぐ アップル、欠陥の修正約束
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【3月9日 AFP】米中央情報局(CIA)が携帯電話などの電子機器をハッキングするツールを多数開発しているとする文書が公開されたことを受け、IT業界が対応を急いでいる。大手各社は8日、調査の開始を相次いで発表した。
米アップル(Apple)は電子メールによる声明で「弊社の初期分析では、公開された問題点の多くは既に最新のiOSで解決されており、確認された脆弱(ぜいじゃく)性については今後も迅速な対応を続ける」と表明。
韓国サムスン電子(Samsung Electronics)も同様に「問題の報道について認識しており、緊急調査を行っている」と発表。米マイクロソフト(Microsoft)も「報道については認識し、調査している」と述べた。
この問題では、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」が7日に公開した大量の文書から、CIAが多機能テレビを通じた盗聴や、人気メッセージアプリの暗号の回避を可能とするツールを開発していたとの疑惑が発覚した。ただこれら文書の信ぴょう性は確認されていない。
ただセキュリティー専門家らは、文書が事実に基づくものだとしても、元政府職員のエドワード・スノーデン(Edward Snowden)容疑者による2013年の米国家安全保障局(NSA)大量情報収集プログラムの暴露ほどの規模ではないとしている。
デジタル権利擁護団体「民主主義・技術センター(CDT)」のジョセフ・ホール(Joseph Hall)氏によると、CIAが開発したとされるツールは「標的型」であり、大量情報収集には使えないという。
だがホール氏は、今回の疑惑発覚により、「脆弱性情報の開示方針」に基づきIT企業にセキュリティー上の欠陥を開示するという米政府の誓約に、疑問が投げかけられたと指摘。「セキュリティー上の欠陥は、修正できるよう企業に通知されるべきで、何年も放置されるべきではない」と語った。(c)AFP/Rob Lever