【3月8日 AFP】米国人の年間性交渉回数は、過去20年に比べて減少しており、既婚または同居カップルの回数の落ち込みが最も大きいとの調査結果が7日、発表された。

 1989年から実施されている米国成人2万6000人以上の性行動に関する聞き取り調査の全国的な代表サンプルに基づく今回の研究によると、カップルとして生活している米国人の2010~2014年の年間性交渉回数は、2000~2004年に比べて16回少ないという。

 米国人全体では、2010~2014年の年間性交渉回数は1995~1999年に比べて約9回減少している。

 調査結果をまとめた研究論文の主執筆者で米サンディエゴ州立大学(San Diego State University)のジーン・トウェンジ(Jean Twenge)教授(心理学)は、「結婚と性交渉に関して、過去数十年からの大きな逆転現象が起きていることを今回の調査データは示している」と話す。

「1990年代には、既婚者の年間性交渉回数は未婚者を上回っていたが、2000年代半ばまでにそれが逆転し、未婚者の性交渉回数の方が多くなった」

 今回の研究は、こうした傾向がみられる理由については触れていないが、米国人の労働時間が長くなっていることが理由ではないと、研究チームは指摘している。実際、聞き取り調査の回答では、労働時間が長い人の方が、短い人よりも性交渉回数が多かった。

 論文によると、性交渉の頻度は、25歳前後でピークを迎え、その後に年間3.2%の割合で減少する傾向があるという。

 一般に、20歳代の人の年間性交渉回数は80回以上で、45歳までに年間60回、65歳までに年間20回にまで減少すると、論文は続けている。

 トウェンジ教授は、過去の研究論文では、30歳を超えた成人の幸福度が2000年から2014年までの間に減少したことが明らかになっているとした上で、「性交渉回数も幸福度も共に減少している状況では、不満を募らせている米国成人が最近多いようにみえるのも不思議ではない」と述べた。

 研究論文は、性行動に関する米学術誌「アーカイブス・オブ・セクシャル・ビヘイビア(Archives of Sexual Behavior)」で発表された。(c)AFP