【3月8日 AFP】フランスの首都パリ(Paris)郊外のトワリー(Thoiry)動物園で、夜間に侵入した何者かによってシロサイ1頭が射殺され、角を奪われる事件が発生した。警察と同園が7日、明らかにした。

 犯人は6日夜、住み込みの職員5人に気付かれることなく、正門をこじ開け、さらに少なくとも2か所の扉を破り侵入した。

 殺されたのは、国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種リスト(レッドリスト)で準絶滅危惧種に指定されているミナミシロサイで、4歳の雄の「バンス(Vince)」。バンスは他にも少なくとも2頭のサイが飼育されている場所で襲われたという。

 警察の報道官がAFPに明かしたところによると、6日にサイの飼育場を後にした職員が、翌7日に戻った際にバンスの死骸を発見。バンスは頭を3度撃たれ、2本の角のうち大きい方の角だけが盗まれていたという。角はチェーンソーで切断されたとみられる。

 捜査当局は、盗まれた角には3万~4万ユーロ(約360万~480万円)相当の価値があると推定している。同園のティエリー・デュゲ(Thierry Duguet)園長はAFPに対し、「こんなことはフランスや欧州の動物園で一度も起きたことはなかった」と指摘。職員らは事件に衝撃を受けていると語った。(c)AFP