IAAF元会長の息子、自身への嫌疑を「魔女狩り」と主張
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【3月7日 AFP】汚職問題により失脚した国際陸上競技連盟(IAAF)のラミーヌ・ディアック(Lamine Diack)元会長の息子、パパ・マッサタ・ディアック(Papa Massata Diack)氏が6日、AFPの独占取材に応じ、2016年リオデジャネイロ五輪の開催地決定に絡み、自身に不正疑惑がかけられていることについて「魔女狩りだ」と激しく批判した。
国際メディアの取材を受けることはめったいないパパ・マッサタ・ディアック氏は、「リオは公正に選ばれた」と強調し、仏ルモンド(Le Monde)紙で報じられた自身への嫌疑について「最も悪意に満ちたもの」と反発した。
ルモンド紙によると、リオ五輪の開催が決定した3日前、その便宜を図った仕事の報酬として、パパ・マッサタ・ディアック氏のコンサルタント会社に対し、ブラジル人実業家から150万ドル(約1億7000万円)の支払いがあったとされている。
当時IAAFの会長を務めていたラミーヌ・ディアック氏は、国際オリンピック委員会(IOC)の委員として開催地決定の投票権を保持していた。パパ・マッサタ・ディアック氏はIAAFでマーケティング顧問を務めており、「(ブラジル人実業家の)会社は顧客」であるとして、「根も葉もない疑いだ」と反論した。
「当時のIOC委員からの票を買うために、不正操作が行われた疑いがある」と伝えられたことについても、パパ・マッサタ・ディアック氏は、「この件をめぐっては、無意味な魔女狩りが行われている。捜査は信用できないものであり、専門家らしからぬ、それとは真逆の方法で行われている」と訴えた。
ディアック親子については現在、フランスで犯罪捜査が進められており、ラミーヌ・ディアック被告は収賄とマネーロンダリング(資金洗浄)を促した罪で起訴されている。
パパ・マッサタ・ディアック氏については、父親に対する起訴内容と関連してフランスから逮捕令状が出されており、2015年12月以降、国際刑事警察機構(インターポール、Interpol、ICPO)で最も重要な指名手配リストに入っている。
同氏は昨年、ロシア陸上競技連盟(ARAF)のドーピングを隠ぺいした疑いで、独立したIAAFの倫理委員会から永久追放処分となっている。
「彼らがセネガルに来て捜査するべきだ。そうすればメディアへのリークではなく、私が正式に返答できる」と語っているパパ・マッサタ・ディアック氏は現在、フランスへの身柄引き渡しを拒否しているセネガル政府の下、首都ダカール(Dakar)で暮らしている。
83歳の父親への処遇についても、同氏はフランスに「人質に取られている」と強く批判しており、「彼らは仮釈放すらも認めない。あちらは父が精神的に追い詰められることを望んでいる」と語った。(c)AFP