アフリカ人奴隷は米に夢見た「移民」 住宅長官の発言に批判殺到
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【3月7日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米政権の住宅都市開発長官に承認されたばかりのベン・カーソン(Ben Carson)氏が6日、アフリカから奴隷として米国に連れてこられた人々について、家族のために成功を夢見た「移民」だったと発言し、批判の集中砲火を浴びている。
デトロイト(Detroit)の貧困世帯出身の黒人であるカーソン氏は、米首都ワシントン(Wadshington D.C.)で住宅都市開発省の職員に対して行った演説で「夢とチャンスを与えてくれる地、それが米国だ」と指摘。
その上で「奴隷船の船底に押し込まれてここ(米国)に渡り、働いても働いても貧しくなる一方だった移民たちがいる」「しかし彼らはまた、いつか自分たちの息子や娘、孫、そしてひ孫たちがこの地で繁栄と幸福を実現するかもしれないという夢を持っていた」と語った。
この発言にはすぐさま反発の声が上がった。全米最大の人権擁護団体で人種差別撤廃を目指す「全米黒人地位向上協会(NAACP)」はツイッター(Twitter)に「移民だって???」と投稿。
米アンネ・フランク・センター(Anne Frank Center for Mutual Respect)も発言は「痛ましく、ショッキングで、とても容認できない」と強く非難した。
カーソン氏の発言が物議を醸したのはこれが初めてではない。かつて、エジプトのピラミッドはファラオの墓ではなく、聖書に登場するヨセフ(Joseph)が穀物を貯蔵するために造ったものだと主張したことがある。
2013年には、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領の医療保険制度改革(通称オバマケア)を「米国で奴隷制以来最悪のもの」とこき下ろした。(c)AFP