【3月6日 AFP】ロシアの有力政治家が5日、フーリガン行為を明文化されたルールとともにスポーツとみなすべきだと主張し、暴力行為を働くファンを「本気のサポーター」と表現した。

 ロシア下院の副議長で、同国サッカー連合(RFS)の理事も務めるイゴール・レベデフ(Igor Lebedev)氏は、ロシアが新たな「スポーツ」の開拓者になり得るとしている。

 レベデフ氏は、フーリガン行為はチーム競技であり、これを「ドラカ(ロシア語で「けんか」)」と名付けると主張している。

 レベデフ氏は所属する党のウェブサイトに、「例えば敵地を訪れたファンがケンカを売られ、彼らがそれに応じた場合、挑戦は受け入れられたことになる。決められた時間にスタジアムで会えばいいではないか。ルールはわれわれのサイトで知ることができる」と投稿している。

 2018年のサッカーW杯(2018 World Cup)は、ロシアの11都市12会場で約1年後に開催される。

 44歳のレベデフ氏は、フランスで開催されたサッカーの欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)で、イングランドのファンと乱闘騒ぎを起こして非難されたロシアのファンはメディアの犠牲者だと主張している。

「彼らはフーリガンではない。まず第一に彼らは本気のサポーターなのだ。時に彼らはけんかをするが、それは相手のファンとだ。彼らは一般市民に触れたりはしない」

 2月に英BBCは、「ロシアのフーリガン集団(Russia's Hooligan Army)」と題されたドキュメンタリー番組を放送。番組でロシアのファンが、来年のW杯で特にイングランドのファンを標的としたサポーター同士の衝突を予告した。

 BBCの報道に対しロシア当局は反発し、政府は安全を守る責務を果たすと主張している。(c)AFP