【3月5日 AFP】中国の李克強(Li Keqiang)首相は5日、常態化したスモッグに国民が怒りを募らせていることをうけ、クリーンエネルギーへの投資を増やし、大気汚染の発生源を処罰して大気浄化に取り組むと公言した。

 中国では今冬、北部一帯が有害なスモッグに覆われ、1億人以上に影響が及び、各政府機関は大気汚染を軽減する緊急対策に追われた。

 李首相は北京(Beijing)で開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で行った演説の中で「環境汚染は依然として深刻であり、特に、一部の地域においては頻繁にスモッグが発生している」と述べた上で「青い空を取り戻す」と明言した。

 李首相は、今年度の大気浄化対策として、低公害化のための石炭火力発電所の改善、石炭暖房の削減、24時間態勢での産業公害監視などを挙げた。また、高排出ガス車両は「基本的に」廃止するとし、スモッグ中の主要有害物質である二酸化硫黄と窒素酸化物の3%削減を目指すと述べた。さらに、エネルギー消費単位当たりGDP(国内総生産)を3.4%削減し、石炭火力発電量を減らすという。

 中国はかねて汚染対策に取り組むと公言しながら、政府は社会の安定には不可欠とみる経済発展を優先し、大気浄化対策は後回しにされてきた。(c)AFP