【3月5日 AFP】北朝鮮のミサイル発射実験を妨害するため、バラク・オバマ(Barack Obama)前米大統領が2014年にサイバー攻撃を実施したが大きな成果は得られず失敗に終わっていたと、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)が4日報じた。

 オバマ政権やドナルド・トランプ(Donald Trump)政権の高官に取材したり、膨大な埋もれた公文書を見直したりするなど1か月にわたる調査を行った同紙によると、米国はいまだに北朝鮮の核・ミサイル開発計画に効果的な対策は打てていないという。

 同紙によると、北朝鮮はいまなお極めて危険で、オバマ氏は大統領職を退く際トランプ大統領に北朝鮮問題は最も切迫した課題となるだろうと警告したという。

 オバマ氏は3年前、北朝鮮のミサイルを発射前もしくは発射直後に破壊すべく北朝鮮へのサイバー・電子攻撃の強化を国防総省に命じた。北朝鮮のロケットやミサイルには発射直後に失敗したものもいくつかあり、サイバー攻撃は成功したようにもみえる。

 サイバー攻撃の成果について、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)への核弾頭搭載や米国の都市が射程に入るのを数年遅らせることができ成功だったとの見方がある一方、北朝鮮のミサイル発射失敗は粗悪なつくり、不満を抱いた内通者、単なる無能力さが原因だとして懐疑的な見方もある。(c)AFP