【3月5日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は4日、バラク・オバマ(Barack Obama)前大統領が昨年の大統領選期間中に自分の電話を盗聴したと批判した。オバマ氏の広報担当者はトランプ氏の主張を否定した。

 トランプ氏はツイッター(Twitter)で「腕のいい弁護士なら、選挙直前の10月にオバマ大統領が私の電話を盗聴していたという事実を立証することができるはずだ!」と根拠を示さずに述べ、また1974年にリチャード・ニクソン(Richard Nixon)元大統領が辞任する原因となったウォーターゲート(Watergate)事件を指し、「神聖な大統領選の最中に私の電話を盗聴したオバマ大統領は最低だ。これはニクソン(元大統領)のウォーターゲートに匹敵する。悪い(または病んだ)男だ!」と立て続けに投稿した。

 しかし、オバマ氏の広報担当者ケビン・ルイス(Kevin Lewis)氏は、トランプ大統領の批判を「まったくの虚偽」と述べた。

 ルイス氏は、トランプ大統領による一連のツイッター投稿の数時間後に声明を公表し、「オバマ政権の基本的な決まりにホワイトハウス(White House)職員は司法省が独自に行う捜査の妨害を行ってはならないというものがあった」「その一環としてオバマ大統領およびホワイトハウス職員は米国市民の盗聴を命令したことはない。そうではなかったと言うのはまったくの虚偽だ」と述べた。

 オバマ前大統領による盗聴を主張したトランプ氏の一連のツイッター投稿は現地時間4日の夜明け直後に行われた。トランプ政権は、ジェフ・セッションズ(Jeff Sessions)司法長官やその他の上級補佐官が選挙期間中にロシア政府連絡を取っていたことが発覚し苦境に陥っている。

 トランプ大統領とオバマ前大統領は昨年の大統領選期間中に互いに厳しく批判していた。またトランプ氏はオバマ氏が本当に米国で出生し大統領になる資格があるのか疑問を呈した、いわゆる「バーサー・ムーブメント(Birther Movement)」を推進した主要人物の一人だった。

 2人はトランプ氏の大統領戦勝利の直後は友好的な態度を取っていたが、トランプ氏はこのところオバマ前大統領への攻撃を強めており、トランプ政権に不利なメディアへの情報漏えいの背後にオバマ氏がいると批判していた。(c)AFP/Anita Chang Beattie