カトリック系保護施設跡地から多数の乳幼児の遺骨、アイルランド
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【3月4日 AFP】アイルランドでカトリックの修道女会が運営していた未婚の母親の保護施設跡の仮設地下室とみられる場所から「かなり多数の」乳幼児の遺骨が発見された。調査を進めていた委員会が3日、明らかにした。
遺骨が発見されたのは同国西部ゴールウェー(Galway)州チュアム(Tuam)にある母子保護施設の跡地。このような施設は「マザー・アンド・ベビー・ホーム」と呼ばれていた。
委員会の声明によれば、遺骨は下水道の一部を応急的に区分けして造ったとみられる20の地下室で見つかった。「調査した20の地下室のうち少なくとも17室でかなり多数の人間の遺骨が発見された」「少数の遺骨を分析のため回収した。遺骨は約35週の胎児から2~3歳の幼児のもの」だと声明は述べている。
2014年に地元の郷土史家、キャサリン・コーレス(Catherine Corless)氏が、ボン・セクール修道女会(Bons Secours Sisters)が運営していた同施設で1925~1961年にかけて796人の乳幼児が死亡しながら埋葬記録がないことを突き止め、施設内に埋葬された疑いがあると訴えたことをきっかけに政府が認可した委員会が設置され、敷地を掘り返して調査が進められていた。
委員会は、1922~1998年の期間に、宗教団体が運営していた18施設で虐待が行われていたとの指摘について調査している。これらの施設で暮らしていた妊娠した未婚女性は計3万5000人に上るとみられている。(c)AFP