【3月3日 AFP】ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)による排ガス規制逃れが健康に与える影響を調べた結果、2008~2015年に独国内で販売された自動車260万台が引き起こす汚染により、欧州で1200人が早死にする可能性があるとする研究が、3日付の英学術誌「エンバイロメンタル・リサーチ・レターズ(Environmental Research Letters)」に掲載された。

 調査に参加した米マサチューセッツ工科大学(MIT)によると、規制逃れによって発生する超過分の排ガスによって10年ほど命が短くなる人が出る可能性があり、研究者の推計によると欧州で1200人が早死にするという。

 また調査結果によると、死者1200人のうち推計500人が独国内で、また残りはポーランド、フランス、チェコといった近隣諸国で早死にすることになるという。

 同じ研究チームは以前、米国で販売されたVWの自動車48万2000台による規制を超過した排ガスで、米国人60人が早死にするとの調査結果を発表していた。

 VWは排ガス検査に不正合格するためのソフトウエアを、約1100万台のディーゼル車に搭載していたことを2015年に認めた。論文の執筆者らによると、もしVWがドイツ国内で販売された規制逃れの車すべてを、今年末までにリコールもしくは新部品の追加で対応することができれば、「2600人のさらなる早死にと、それに付随する41億ユーロ(約5000億円)の医療コストを回避しうる」という。(c)AFP