【3月3日 AFP】欧州連合(EU)議会は2日、フランス大統領選に立候補している極右政党「国民戦線(FN)」のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首の欧州議員としての免責特権を停止する決議を採択した。

 ルペン氏はイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の残虐行為の写真をツイッター(Twitter)に投稿した問題で仏当局の捜査対象となっており、免責特権停止で同氏の訴追が可能になる。

 欧州議会のディミトリス・パパディモーリス(Dimitrios Papadimoulis)副議長によると、ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で行われた採択では、多くの議員が挙手で免責特権停止の支持を表明した。

 ルペン氏は2015年、仏テレビ局の記者がFNをISになぞらえたのに対し、「これがダーイシュ(Daesh、ISのアラビア語名の略称)だ」とのコメントを添えて、米国人ジャーナリストのジェームズ・フォーリー(James Foley)氏の切断された首が胴体に乗せられた遺体写真、おりに入れられたまま火を付けられた男性の写真、戦車でひき殺される犠牲者の写真を投稿した。

 これに対しパリ(Paris)西郊ナンテール(Nanterre)の検察当局は、ルペン氏の行為が「暴力的な画像の流布」に当たるかどうか捜査を開始。昨年4月に捜査当局が事情聴取のためルペン氏を召喚したが、同氏は欧州議員の免責特権を理由に出頭を拒否していた。(c)AFP/Danny KEMP