【3月3日 AFP】シリア政府軍は2日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からの遺跡都市パルミラ(Palmyra)の奪還作戦を完了した。同作戦を空爆などで支援していたロシア政府と、シリア政府軍が発表した。同国とイラクで支配域を失い続けるISにとって、さらなる打撃となった。

 ロシア大統領報道官はモスクワ(Moscow)でメディアに対し、セルゲイ・ショイグ(Sergei Shoigu)国防相がウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領にパルミラ奪還を報告したと発表。

 在英の非政府組織(NGO)「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、ISは同市から完全撤退したものの、複数の地域に地雷を敷設していた。「政府軍は引き続き地雷埋設地帯で撤去作業を行っており、市全域にはまだ到達できていない」と、監視団のラミ・アブドル・ラフマン(Rami Abdel Rahman)代表は述べている。

 6年に及ぶシリア内戦で、パルミラの支配者は何度も入れ替わった。ISにより多数の建造物や文化遺産が破壊されたり、闇市場への売却目当てで強奪されたりする被害を受けた同市は、ISが支配域で行う貴重な文化遺産に対する容赦ない破壊行為の象徴となった。

 ISは2015年5月に初めて同市を掌握。同市は16年3月に一度奪還されたが、政府軍が反体制派からの北部アレッポ(Aleppo)奪還作戦に専心していた同年12月に再びISによって制圧されていた。(c)AFP/Maya Gebeily