アレッポ争奪戦、双方が戦争犯罪 国連シリア調査委が報告
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【3月2日 AFP】国連(UN)のシリアに関する独立国際調査委員会(COI)は1日、シリア北部アレッポ(Aleppo)の争奪戦で、政府軍と反体制派の双方が化学兵器の使用や民間人の処刑、住民の強制移送といった戦争犯罪に及んだとする報告書を発表した。
報告書は、政府軍が反体制派の主要拠点だったアレッポ東部を包囲した昨年7月21日~12月22日の5か月間に起きた違反行為を報告。同委員会のパウロ・ピネイロ(Paulo Pinheiro)委員長は、スイス・ジュネーブ(Geneva)での記者会見で、「アレッポではシリア内戦で前例のない規模のことが起きた」と語った。
報告書では、シリア軍の航空機が「塩素を含む有害工業薬品」を投下した決定的証拠があると結論。だが、同国政府と同盟関係にあるロシア軍が化学兵器を使用したことを示す情報はないとしている。両国軍が「連日実施」した空爆では、病院、市場、住宅建物が繰り返し標的となった。
また、アレッポ県で9月19日、人道支援団体の車列を意図的に狙った空爆については、シリア政府軍が実施したものだったことを示す証拠があるとされた。この空爆では、支援要員少なくとも10人が死亡。バッシャール・アサド(Bashar al-Assad)政権は、この空爆の責任を全面的に否定している。
一方、アレッポを拠点としていたイスラム過激派組織「シリア征服戦線(Jabhat Fateh al-Sham)」(旧アルヌスラ戦線、Al-Nusra Front)を含む反体制派諸勢力も、同市西部での民間人に対する砲撃や、明確な標的を定めない無差別射撃を行ったとされる。
反体制派が劣勢に回り民間人が脱出を試みるようになると、「一部の武装集団は民間人を暴力的に制止し、人間の盾として使った」と報告書は指摘している。(c)AFP/Ben Simon