アカデミー賞、「大失態」で埋もれた5つの見どころ
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■「追悼」での非礼
2016年に死去した業界人をしのぶ「追悼」映像でも大きなミスがあった。
16年10月に亡くなった衣装デザイナーのジャネット・パターソン(Janet Patterson)氏の写真が映し出される場面で、同氏の親友でもあるオーストラリア人プロデューサー、ジャン・チャップマン(Jan Chapman)氏の写真が使われてしまったのだ。チャップマン氏は存命だ。
両氏は1993年のジェーン・カンピオン(Jane Campion)監督作品「ピアノ・レッスン(The Piano)」でそれぞれアカデミー賞にノミネートされた。
■「EGOT」達成ならず
今年の授賞式では、映画『モアナと伝説の海(Moana)』の主題歌「How Far I'll Go」が主題歌賞にノミネートされていたリン・マニュエル・ミランダ(Lin-Manuel Miranda)が、エミー賞(Emmy Awards)、グラミー賞(Grammy Awards)、アカデミー賞(オスカー)、トニー賞(Tony Awards)のすべてで受賞する、通称「EGOT」を達成できるかどうかに注目が集まっていた。しかし、結果は、ジャスティン・ハーウィッツ(Justin Hurwitz)による映画『ラ・ラ・ランド(La La Land)』の「City of Stars」に受賞を譲る形となり、エンタメ界のグランドスラム達成とはならなかった。
これまでにEGOTを達成した人はわずか12人のみ。ジョン・ギールグッド(John Gielgud)やオードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)といった往年のスターの他、現役米女優ウーピー・ゴールドバーグ(Whoopi Goldberg)や映画監督メル・ブルックス(Mel Brooks)さんらが名を連ねている。
■驚きと落胆
前評判が高かった分、映画『ラ・ラ・ランド』は不振に終わったといえるだろう。ノミネートされていた14部門のうち少なくとも9部門でのオスカー受賞が期待されていた。作品賞のほか、音響編集賞や編集賞も逃した。
期待外れの結果となった作品の一つは、SF映画『メッセージ(Arrival)』だろう。8部門でノミネートされていたにもかかわらず、音響編集賞のみの受賞に終わった。
録音技術者のケビン・オコンネル(Kevin O'Connell)氏は、これまでに20回もオスカーにノミネートされながらも受賞はなかった。今回、映画『ハクソー・リッジ(Hacksaw Ridge)』での仕事が認められ、ついにアカデミー賞録音賞での受賞を果たした。