【2月27日 AFP】(更新)米軍がイエメンで先月行った対テロ軍事作戦で死亡した米海軍特殊部隊(ネイビーシールズ、Navy SEALs)隊員の父親が、26日の米紙に掲載されたインタビューで、作戦を承認したドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の決定を批判し、米政府に調査を求めた。

 ウィリアム・ライアン・オーウェンズ(William Ryan Owens)隊員は、1月29日に実施された国際テロ組織「アルカイダ(Al-Qaeda)」掃討作戦で死亡した。

 父親のビル・オーウェンズ(Bill Owens)氏は、地方紙マイアミ・ヘラルド(Miami Herald)に対し、国旗で覆われた息子のひつぎがC17輸送機でドーバー米空軍基地(Dover Air Force Base)に帰還した際、トランプ大統領と話すことを拒否したことを初めてメディアに明らかにした。

「政府には、この件で騒ぎを大きくしたくないと伝えたが、良心に従って私は大統領と言葉を交わさなかった」

 さらに、オーウェンズ氏は「息子の死を盾にとって調査を回避しないでほしい」「私は、調査を望んでいる。…政府は息子のために調査を行う義務がある」と訴えた。

■作戦批判は米兵の名誉汚すとホワイトハウス

 トランプ大統領の就任6日目に行われた作戦は、アルカイダ系武装組織「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」が使用しているとされる建物を標的としたものだったが、作戦開始直後からトラブルが相次いだ。建物を急襲した特殊部隊は全方位から銃撃を受け、応援として呼ばれた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ(Osprey)は「ハードランディング(硬着陸)」し乗員3人が負傷、機体を敵に奪われないよう破壊しなければならなかった。

 また、この作戦は民間人にも死者を出した。イエメン当局は女性8人、子ども8人の計16人の民間人が死亡したと発表している。

 この作戦について共和党のジョン・マケイン(John McCain)上院議員は、失敗だったと指摘した。しかし、ホワイトハウス(White House)は作戦は成功したと称賛し、失敗だと中傷する人々はオーウェンズ隊員の名誉を汚していると非難していた。(c)AFP