【2月27日 AFP】フランス大統領選に立候補している極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン(Marine Le Pen)党首は26日、メディアが中道・独立系候補のエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)前経済相(39)に肩入れしていると激しく非難した。最新の世論調査ではマクロン氏の支持が急伸している。

 西部ナント(Nantes)で行われた集会で演説したルペン氏は、大統領選の最有力候補に躍り出たマクロン氏について、フランスと北アフリカの間に「移民自動車道路」の創設を望んでいると糾弾。「経済的利害とメディアにおけるその仲介者」は明らかに同氏の味方だとも主張した。

 さらに「メディアが候補者を選んでいる。お気に入りの人物のために気が触れたように運動している」と強く反発。既存メディアとの対決姿勢を強めるドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領をほうふつさせるメディア批判を繰り広げた。

 26日に発表された2つの世論調査によると、ルペン氏は4月23日に行われる第1回投票では27%の得票で勝利すると見込まれるものの、マクロン氏が25%で猛追している。

 ルペン氏は、トランプ氏の米大統領選勝利と英国の欧州連合(EU)離脱をナショナリズムと自身が掲げる「反エリート」の復活と捉えている。しかし今回の世論調査では、5月7日の決選投票が仮に現時点で行われたとすれば、ルペン氏は20ポイントの大差でマクロン氏に敗れるという結果となった。

 投資銀行出身のマクロン氏は、昨年4月に中道政治運動「前進(En Marche)」を始動。財界寄りの政策綱領の策定に着手しており、来月2日に公表する予定だ。

 一方、ルペン氏は秘書の給与不正疑惑や親友の不正融資問題を抱える。一時最有力候補とされていた右派・共和党候補のフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)元首相も、勤務実態のない家族への不正給与疑惑で全面的な司法調査に直面している。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT