【2月26日 AFP】米国に毎春恒例の「ガールスカウト(Girl Scouts)クッキー」の季節がやって来た。このユニークな米国の伝統は今年で100周年を迎える。

 このクッキーが販売されるのは1年のうちの数週間だけ。店頭に並ぶこともないため、毎年大勢の米国人がこの時期を待ちわびている。翌シーズンまで一年中クッキーを楽しめるように、クッキーを大量に購入し冷凍庫に保存しておく人もいるほどの人気だ。

 ガールスカウトのメンバーたちは現地の天候に応じて1月から4月の間にクッキーを販売して活動資金を調達する。クッキーはメンバーたちが焼いたものでははないが、チョコレートとミント味のシン・ミント、キャラメルとココナツ味のサモアなど12種類のフレーバーがあり、購入者の多くがお気に入りのクッキーを買っていく。クッキーの値段は1箱5ドル(560円)だ。

 この伝統が途切れたのは第2次世界大戦(World War II)の間だけだ。そのときは材料不足でクッキーが用意できなかったため、代わりにカレンダーを販売した。

 ガールスカウト・クッキーを米通販最大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)や競売サイト「イーベイ(eBay)」などで販売することは禁止されている。ガールスカウトではメンバーと顧客1人1人との交流を重視しているため、メンバーはネットで販売する場合、ガールスカウトのウェブサイトを通じてクッキーを購入するよう直接顧客に依頼する。それでも通信販売サイトでクッキーが転売されることもあり、ときには元値の2倍の値が付くこともある。

 ガールスカウト本部によれば、クッキーの売り上げは毎年約8億ドル(約900億円)にもなる。歴代トップクラスの売上記録を誇るのはオクラホマシティ(Oklahoma City)のケイティー・フランシス(Katie Francis)さん(14)。フランシスさんは2015年だけで2万2200箱、累計では8万5000箱以上のクッキーを販売したという。(c)AFP/Nova SAFO