米民主党、全国委員長にペレス前労働長官を選出
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【2月26日 AFP】米民主党は25日、ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)で党全国委員会(DNC)の委員長を選ぶ投票を行い、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権で労働長官を務めたヒスパニックのトム・ペレス(Tom Perez)氏(55)を選出した。ペレス氏は党を統率してドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の共和党政権に対抗し、2018年の中間選挙では与党・共和党に過半数を握られている連邦議会での議席増を目指す。
ペレス氏は「この時代はいつの日か米国史の研究対象になる。米国史上最悪の大統領が就任した2017年にどこにいたかという質問がわれわれ全員に問い掛けられるだろう」と述べた。その上で「民主党は一致団結して抵抗を主導し、この大統領の在任期間を1期にとどめ、全米で民主党員を(議員に)当選させた、とわれわれは答えられるようになるだろう」と強調した。
ペレス氏は、委員長選で次点だったアフリカ系のキース・エリソン(Keith Ellison)下院議員(53)を副委員長に指名した。エリソン氏は連邦議員に選出された初のイスラム教徒で、トランプ大統領の弾劾を目指す可能性をにじませている進歩派。
DNCをめぐっては、デビー・ワッサーマン・シュルツ(Debbie Wasserman Schultz)前委員長が昨年夏、党指導部の電子メール流出問題を受けて辞任。流出メールには、大統領選の予備選挙で中立の立場を表明していたDNCが、党の指名争いでヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官がバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員より有利になるよう図る内容が含まれていた。
今回の委員長選挙は、大統領選で敗北したクリントン氏と、リベラル派のサンダース氏の代理戦争の様相も呈していたものの、得票数は党指導部の支持を取り付けたとみられていたペレス氏が235票でエリソン氏の200票を上回った。ペレス氏は、シュルツ氏の辞任後に暫定委員長を務めていたドナ・ブラジル(Donna Brazile)氏から職務を引き継ぐ。
委員長選で3人目の候補者だったインディアナ(Indiana)州サウスベンド(South Bend)市長で退役軍人のピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)氏(35)は投票前に選挙戦から撤退した。ブティジェッジ氏はローズ奨学制度による英国留学経験を持ち、同性愛を公言している。(c)AFP/Michael Mathes/Olivia HAMPTON