【2月25日 AFP】イングランド・プレミアリーグのレスター・シティ(Leicester City)がクラウディオ・ラニエリ(Claudio Ranieri)監督を電撃解任したことを受け、暫定的にチームの指揮を任されたクレイグ・シェークスピア(Craig Shakespeare)氏は、パントマイムの悪党になった気分だと話した。

 奇跡のリーグ制覇を果たしたわずか9か月後の今月23日にラニエリ氏が解任され、代わりにレスターで指揮を執ることになったシェークスピア氏は、27日に行われるリバプール(Liverpool FC)との大一番を控えている。

 ラニエリ氏のアシスタントコーチを務めていたシェークスピア氏は24日、報道陣の前に姿を現した際に居心地の悪さを感じたことを認めると、ベテラン選手からの不満噴出や、元上司と自身の関係悪化についてうわさが飛び交うなか、今回の解任時期に関する質問をうまくかわしていた。

 シェークスピア氏は、「それはオーナーとクラブの問題だ。今日の午後会見に同席するように言われたが、ここに座っているとパントマイムの悪党になったような気分だ」とすると、「しかし、取材には応じなければならない。私はリバプール戦に集中している。解任のタイミングについては、オーナーの決断を尊重しなければ」とコメントした。

 さらに「悪党になったような気分」の意味を聞かれると、シェークスピア氏は「今回の件について、自分にはどうすることもできないということだ」と答えた。

「自分らしさを貫く必要がある。これまで非常に優秀な監督たちと一緒に仕事をしてきたが、自分らしくありたい。なぜなら、人はそこから物事を読み取っていくからだ。サッカーでは、その姿勢が必要だと考えている」

 この日、ラニエリ元監督は私物を取りにレスターの練習施設に戻ってきた。しかし、昨季のプレミアリーグで奇跡のタイトル獲得を果たした元同僚に別れを告げるために、ラニエリ元監督が再びチームを訪れることについて、シェークスピア氏は了承し、「個人的には何の問題もないし、クラブ側もそうだと確信している」と語った。

 シェークスピア氏はまた、高額の新契約に加え、多くの主力選手やチームスタッフに与えられた高級車を含め、昨季の褒美についても質問された。この件については、成功報酬を受けて選手の士気が鈍ったとして、一部のファンから批判の声が上がっていた。

 ラニエリ元監督の方針に対してベテラン選手らがクラブに不満を訴えたと伝えられていることについて、「初耳だ」と語ったシェークスピア氏は、「常に板挟み状態だ」と訴えた。

「報酬が与えられなければみんな移籍を考え、われわれは優秀な選手を失ってしまうことになる。だからクラブとしては板挟み状態だった。ほかのクラブが費やしている金額を目の当たりにしている現在、われわれにそれほどの予算がないことは重々承知している」

「しかし、それでも昨季われわれはリーグ制覇を成し遂げた。最後は勝ち点10差での勝利だった。練習場では、選手たちが集中力を発揮してプロに徹している。彼らと一緒に仕事をして喜びを実感することがある」 (c)AFP/Steve MADELEY