【2月25日 AFP】イラク治安部隊は24日、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の主要拠点である北部モスル(Mosul)の西部に進攻した。イラクとシリアで「カリフ制国家」として宣言した支配域を失い続けるISは、両国で自爆攻撃を起こし応戦している。

 最も暴力的なイスラム過激派組織であるISの掃討作戦が拡大する中、隣国シリアではイラク軍が初の越境作戦を実施し、IS拠点を空爆。シリア政府側はこれについて、2国間での合同作戦だったと認めている。

 モスル奪還作戦では24日、イラクのエリート部隊が、同市内を流れるチグリス(Tigris)川西岸の区域に初めて進攻するという大きな進展があった。

 前日の23日に同市内の空港をISから奪還していた内務省所属の精鋭部隊である即応部隊は、その勢いに乗って隣接したJawsaq地区に進攻。IS側は迫撃砲による砲撃や狙撃で応戦している。

 また、過去4か月間行われているモスル奪還作戦での戦闘任務の大半を実施している対テロ部隊(CTS)も、さらに西に入った同市南端沿いの地区に進攻した。

 CTSの司令官は、モスル市南郊でAFPに対し「ISは自動車爆弾を使用しており、今朝は3台が破壊された。また兵器化されたドローン(小型無人機)や迫撃砲によりこちら側の一部に負傷者が出ている」と述べた。

 ISは現在もイラクとシリアの一部地域を掌握しているが、ここ1年は劣勢に追い込まれており、シリアでは北部アレッポ(Aleppo)県最後の拠点だったアルバブ(Al-Bab)を失ったばかりだ。

 だがアルバブ郊外では24日、敗戦を喫したISによる自爆攻撃が起き、51人が死亡。一方、イラク当局によると、同国のヨルダン国境近くでも同日、ISによる自爆攻撃があり、少なくとも15人の国境警備要員が死亡した。(c)AFP