トランプ効果? スウェーデンで移民統合政策の功罪を問う動き
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【2月24日 AFP】スウェーデンにおける移民の増加と犯罪の関連性を示唆して物議を醸したドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の発言をきっかけに、リベラルな価値観を持つ理想国家とも目されるスウェーデンで、移民統合政策の成功点と失敗点について考えようという議論が巻き起こっている。
トランプ氏は今月18日に米フロリダ(Florida)州で開かれた集会で前夜にスウェーデンで襲撃事件があったかのような発言をして当惑を招いたが、その2日後、同国の首都ストックホルム(Stockholm)北郊の移民が多く住むリンケビー(Rinkeby)で暴動が起きた。
「やはりトランプ氏はスウェーデンについて正しかった! ストックホルム郊外で暴動が起きた」と、米保守派コメンテーターで共和党系のアン・コールター(Ann Coulter)氏は21日、勝ち誇ったようにツイッター(Twitter)に投稿した。
リンケビーでは20日夜、警察が麻薬取引の容疑者1人を逮捕したのを機に数十人の若者が警察官らと衝突。暴徒は警察官に投石したり、車に放火したり、商店を略奪したりした。ストックホルム警察はAFPに対し、暴徒排除のため警察官1人が実弾を発射したと明らかにした。
暴動の映像は瞬く間に世界に拡散。トランプ氏の発言と、同氏が引き合いに出したスウェーデンの犯罪増加と移民を結び付けたFOXニュース(Fox News)の報道に対するスウェーデン当局の反応に泥を塗る格好となった。
スウェーデンの日刊紙スベンスカ・ダグブラデット(Svenska Dagbladet)の論説委員トーベ・リブンダル(Tove Lifvendahl)氏は22日、「トランプ氏が言ったことには一片の真実」が確かにあると認め、「それについてどう思うかはさておき、他者から見たわれわれのイメージ、そしてわれわれの自己イメージとが、現実とどこまで一致するのかを考え直す好機だ」と書いた。
ではその相反する2つの捉え方とは、それぞれどのようなものだろうか?