熱湯かけられ、傷口に唐辛子…児童労働の悪夢 ミャンマー
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【2月28日 AFP】元雇用主から沸騰したお湯をかけられ、キン・キン・トゥンさん(14)の背中は、やけどの痕でパッチワークのようになっている──彼女はオレンジを2個盗んだと非難され、そして盗んだ数と同じだけと熱湯を2杯かけられた。
キン・キン・トゥンさんと妹はミャンマー南部の都市モーラミャイン(Mawlamyine)で使用人として数年間にわたって働いていた。同国ではこの2人のように、多くの子どもたちが裕福な家で使用人として働き「隠れた労働力」となっている。
「(元雇用主の)エー・エー・ソーはフラスコ瓶で私の体の左側に(熱湯を)かけた。彼女に正直に話せと言われ、盗んでいないと答えたら、(今度は)殴られた」「私が熱いと叫び声を上げると、彼女は頭を殴ってきた。たくさんの血が流れた」とキン・キン・トゥンさんは振るわれた暴力行為について説明した。
傷害の罪に問われたエー・エー・ソー被告(40)は、今月モーラミャインの裁判所に出廷した。だが児童に対する暴行の罪には問われておらず、そのため保釈が認められる可能性もある。AFPの取材に同被告が応じることはなかった。
キン・キン・トゥンさんが保護されたのは2016年12月末、地元NGOのティ・ティ・ヌウェさんによってだった。それまでに3年間、夫と死別したエー・エー・ソー被告と彼女の母親が住む家で使用人として働き、また彼女たちが営むケータリングサービスの接客係としても雇われていた。
キン・キン・トゥンさんは、父親の医療費を稼ぐために、エー・エー・ソー被告の家に使用人として送られた。妹のタジン・アウンさん(12)もその後に連れていかれた。
働き始めた当初は、1日17時間の労働で月に3万チャット(約2500円)が支払われていたが、父親が2015年に死去したあとは、賃金が支払われることはなく、暴力も始まった。
同じケータリング会社で働いていたラ・シュエさんは、昨年12月の熱湯の事件を目撃したと話す。エー・エー・ソー被告は熱湯をかける前に、キン・キン・トゥンさんに服を脱ぐよう命じたという。「私はその状況をただ見ていることしかできなかった。私に何ができたでしょう? 何も言うことができなかった」と涙ながらに語った。