【2月22日 AFP】イスラエルの軍事裁判所は21日、負傷し地面に横たわっていたパレスチナ人容疑者を射殺した兵士に、禁錮1年6月の量刑を言い渡した。人権団体などからはこの量刑を批判する声が上がっている。

 被告弁護団は上訴を発表。右派閣僚らからも、赦免を求める声が直ちに上がった。一方パレスチナ自治政府と遺族らは、量刑が軽過ぎると非難している。

 事件は昨年3月、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)南部ヘブロン(Hebron)で発生。射殺の瞬間を人権団体が撮影しており、動画がインターネット上に広まった。

 イスラエル軍によると、射殺されたアブドル・ファタハ・シャリフ(Abdul Fatah al-Sharif)容疑者は、イスラエル人兵士1人を刃物で刺した後、別のパレスチナ人と共に撃たれて負傷し、地面に倒れていた。エロル・アザリア(Elor Azaria)被告(21)は、抵抗する様子を見せていなかったシャリフ容疑者の頭部を撃ち殺害した。

 アザリア被告は1か月前、シャリフ容疑者を射殺した罪で有罪判決を受けていた。今回量刑を言い渡した判事は、求刑より減刑された理由について、3人から成る判事団が「被告の家族が受けた被害」と、被告が容疑者を射殺した際、被告が「敵対地域」にいた事実を考慮したと説明した。(c)AFP/Stephen Weizman with Shatha Yaish in Hebron