【2月21日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領に対して批判的な勢力の急先鋒として知られるレイラ・デリマ(Leila de Lima)上院議員(57)が21日、同大統領を「連続殺人犯」と形容し、公職から追放すべきだとする主張を展開した。

 デリマ氏は、フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元大統領の独裁政権を打倒した、1986年の「人民革命(People Power Revolution)」の再来を希望するとともに、ドゥテルテ氏本人および、これまでに数千人が死亡したとされる麻薬撲滅戦争に対して、これまでになく厳しい批判を繰り広げた。

 首都マニラ(Manila)で記者会見を行ったデリマ氏は報道陣に対し、「私たちの大統領が人殺しで、反社会的な連続殺人犯であることに疑いの余地はない」と語った。またドゥテルテ政権の閣僚たちに同氏が指導者として不適格であると認めるよう要求し、フィリピン国民には同氏の統治に反対の声を上げるよう求めた。

 デリマ氏の主張によると、フィリピンの憲法では、精神的な問題で大統領が職務を遂行できないとの判断を閣僚の多数が下せば、大統領を辞職させることができるとし、ドゥテルテ政権の閣僚たちに行動を促した。それができない場合についてデリマ氏は、マルコス氏の独裁政権に終止符を打った大規模な民衆蜂起について触れ、「もう1人の独裁者と邪悪な政権に、私たちが勇気を持って立ち上がるべき時が再びやってきた」と語気を強めた。

 デリマ氏は前政権で法相を務めていた際に麻薬密売ネットワークに関わったとして、先週フィリピン政府から訴追された。デリマ氏の支持者や人権団体は、口封じのためのでっち上げであり、またドゥテルテ氏を批判しようとする他の人たちへの脅しであると主張している。(c)AFP