【3月3日 AFP】約1年後に平昌冬季五輪の開会式が行われる五角形のアリーナの道路の向かいにある商店の外には、死んだ魚の束が木枠にぶら下がっている。

 ほとんどの五輪競技会場は事実上完成しており、大会組織委員会は、韓国のテクノロジー、文化、食を宣伝し、世界中のスポーツファンに長旅をしてきてもらうため、国内外でのマーケティングに打って出ようとしている。

 しかし、この商店の主人は五輪に懐疑的だ。冬のいてつくような寒さの中で乾燥させて作る干しタラは、平昌(Pyeongchang)の特産品だが、店主は西洋人がその特産品を「食べるのはちょっと無理」と思うだろうと考えている。

 店は絶好のロケーションにあり、多くの潜在的な顧客を引きつけるチャンスがあるにもかかわらず、店主は来年の冬の生産量を上げる計画はないと話している。

 開幕まで1年を切り、多くの韓国人は五輪を開催することに誇りを示し、店主の店の反対側ではすでに作業員がアリーナの上層部の作業に取り掛かっている。

 現存の施設では、規定を満たす標高差を生む高さの山がないためアルペンスキー競技が行われるスロープは新設されており、現時点で未完成の施設はここのみとなっているが、その工事も85パーセントは完了している。

 広々とした選手村は、ベットカバーに各競技のシンボルがあしらわれ、防寒対策のためペアガラスが二重サッシに設置されている。

 めまいがするK点125メートルのジャンプ台の上から見渡すと、蛍光緑の上着を着たスタッフがテストイベントに向けて着地点で整雪している様子がはるか下に見えた。近くの木々が生い茂った丘にはクロスカントリーのコースが走り、地平線には風力発電のタービンの列をなしていた。