【2月17日 AFP】(更新)マレーシアの警察当局は17日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄で、クアラルンプール(Kuala Lumpur)で殺害された金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏の遺体の引き渡しについて、正男氏の家族か親族からのDNAサンプル提供が条件だとの見方を示した。

 マレーシア・スランゴール(Selangor)州警察トップのアブドル・サマー・マット(Abdul Samah Mat)氏は「これまでのところ、遺体の身元確認や引き渡しを求めてきた家族や近親者はいない。遺体の身元確認のため、家族のDNAサンプルが必要だ」と説明。「北朝鮮は遺体の引き渡しを正式に要請してきたが、引き渡しの前に、身元確認をしなくてはならない」と述べた。

 これに先立ち、アフマド・ザヒド・ハミディ(Ahmad Zahid Hamidi)副首相は16日、北朝鮮側が正男氏の遺体引き渡しを要求してきた場合は、調査が完了し次第応じると表明していた。

 一方、マレーシア政府当局の法医学チームは17日にも、正男氏の遺体の検視で採取されたサンプルの分析を行う見通しだ。科学技術省に所属する化学者は国営ベルナマ(Bernama)通信に対し、16日夜にサンプルが研究室に届いたことを明らかにし、「できるだけ早く分析する」と語った。

 北朝鮮は事件について沈黙を守っているが、捜査に近いマレーシア政府高官筋によると、北朝鮮の外交官らが正男氏の遺体の司法解剖に異議を唱えたという。(c)AFP